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10年後の一週末のスケッチ

 

[HITACHINAKA Surfside Sports Paradise Resort] 

 2030年初夏、週末の3日間を利用して、ひたちなか市のスポーツ・パラダイス・リゾートで過ごした。阿字ヶ浦から那珂湊に至るサーフサイドはかつて海水浴、潮干狩りなどで知られたが、最近スポーツ・リゾートとして変貌を遂げた。

 

 勝田駅からひたちなか海浜鉄道に乗り換え、那珂湊駅で下車。サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフ風のマーケットでブランチを取り、姥の懐リゾートパークへ向かう。色とりどりのスポーツウェアを着た老若男女がストレッチや準備体操をしている。我々家族もウォーミングアップを済ませジョギングを始める。LAのサンタモニカ、南仏のニースを思わせる美しいビューと気持ちの良い陽光、潮風の下、ジョギングのほか、ウォーキング、サイクリング、ローラーボードなどを楽しんでいる人たちが行き交う。サーフサイドに整備された幅広の舗装路を進んでいくと、波音や海鳥の鳴き声が心地よい。毎週日曜には車が遮断され、スポーツを楽しむ人々の賑わいが増すらしい。ところどころにベンチやトイレを設けたレストパークがあり、思い思いに休憩を取っている。

 

 阿字ヶ浦に到着すると、シーフードと地場の野菜を活かしたイタリア料理、スペイン料理などの美味しいレストランが待っている。腹ごしらえをしたら温泉施設を利用できるのが嬉しい。学生向けの民宿のほかペンションも多く、若者や家族向けに宿泊と朝食を提供している。今晩はハワイ風の明るいコテージに一泊だ。

 

 翌日は朝食を済ませた後、阿字ヶ浦駅から海浜鉄道に乗り、ひたちなか海浜公園へ移動。お花畑や森を散策したり、バーベキューをしたり、遊園地で楽しんだり、充実した一日を送れる。時間があれば、ショッピングモールで買い物を楽しむこともできる。夕方、阿字ヶ浦に戻り南仏風レストランで夕食だ。ボサノバを奏でる生バンドをバックに、シーフードとワインをゆっくり楽しむ。その間、子供たちはスポーツジムの温水プールではしゃいでいる。

 

 3日目は海浜鉄道で那珂湊に戻り、駅から送迎バスで大洗アクアワールドへ向かう。家族とともに思う存分楽しめた週末だった。(2015.9に見た夢)

 

 

■ビーチはまちづくりのための貴重な財産

 

  上の文章は、丁度ひたちなか海浜鉄道の延長の話が盛んになりつつあるころに見た夢を記した約5年前のものです。現在、その夢の片りんも実現されていませんが、あと10年くらいの将来にはリアルになってほしい願望はかわっていません。デジタル化は進展していきますが、それを離れた、人間性を取り戻すような癒される世界がまちづくりには必要と思うのです。

 

 約14kmにわたるひたちなか市の海岸線は、港湾、水産業、海水浴、浜遊びといった形で利用されています。平磯から阿字ヶ浦に至る海岸は、白亜紀層の歴史も伴うひなびた良さはあります。しかし、海に面する開放的な地形をもっと活用して価値を高めること、それは住みやすい、住みたいまちとするための大きな要素ではないでしょうか。

 

 海岸に面する地域の将来像を描く際に参考とするため、筆者が昨年訪問したニューヨーク州ロングビーチ市の海岸にある木造の遊歩道(ボードウォーク)を中心に散策する動画を紹介します。こんなリゾート都市は世界中にいくつもありますが、その一例です。

 

Walking Long Beach, Nassau County, Long Island, New York (Narrated) (July 18, 2020)

https://www.youtube.com/watch?v=p101Brw3A6c

 

動画開始約6分後から約10分間、そのボードウォークとビーチの様子が映し出されます。ボードウォークはゆったりとした十分な広さがあり、ウォーキングはもちろんジョギングやサイクリングも楽しめます。ホテルやレストランもそろっていて、リラックスした健康的な休暇を楽しめます。結婚式パーティなどの催しも可能です。海岸が清潔に整備されているのも注目です。動画のビーチ部分の前後は、このリゾート都市の街並み、住宅街、商店街を散策しています。美しい景色で気分をなごませてくれます。普段の生活を楽しく豊かに送るマインドの違いが現れていると思います。

 

 ここで紹介したビーチリゾートの真似をしたいというわけではなく、海岸という資源、財産を活用して豊かで快適なまちづくりをする際に何らかの参考になればというのが意図です。ただ、ひたちなか市の海岸にもこのボードウォークのような遊歩道が整備されることに賛同してくれる仲間が増えると良いなとは願っています。 

 

以上 OK