「海」の魅力とは何でしょうか? 晴れた日に海へ行くと、開放的で爽快な気分になり、たまったストレスが吹き飛んでリフレッシュされた経験を多くの人がもつのではないでしょうか。そうした心地よい気分をもたらすのには以下のような要因があると言われています。
・水平線を超えて限りなく広がる海の雄大さを感じること
・感情を鎮め心を落ち着かせる海と空の青色に触れること
・蒸し暑い季節でも海からの心地よい涼風に癒されること
・海風はマイナスイオンを多く含み、快適な気分にさせること
・打ち返す波の音が適度なゆらぎ(1/fと言われる)をもち心が安らぐこと
・海水には多量のミネラル分を含み(水浴で)体調が整うこと
・海水の成分が胎内の羊水と似ているため安心感を覚えること
・太陽光エネルギーによる健康効果が得られること
神秘的な面を含みますが、信憑性について科学的な解明も進んでいるとのことです。
身体や心の状態を改善するこうした効果を、積極的に健康増進や病気治療に利用し、ひいては観光産業振興につなげようという試みがあります。
なぜ海は体にいいのか?~海洋療法と観光の融合をどう図る~
https://health-tourism.skr.u-ryukyu.ac.jp/tarasso
この記事は、琉球大学国際地域創造学部ウェルネス研究分野によるものです。それによると、海が人体に好影響を及ぼすことは、人類文明の黎明期から知られており、紀元前のギリシャ時代から健康増進や治療に用いられてきたこと、日本でも海水浴は“潮湯治”(しおとうじ)と呼ばれ、治療効果が認められていたこと、など「海」が貴重な資源として伝承されてきた事実、およびその活用の現状が紹介されています。要するに、(海藻や海泥なども含めた)海と海洋性気候から成る「海の恵み」を総合的に活用して、心身に総合的に作用する治療や健康増進のための方法を「海洋療法」と称し(タラソテラピー:Thalassotherapy)、効用の検証とともにヘルスケアや観光に活かしていこうとする試みが展開されているのです。
「自然豊かな地域を訪れ、そこにある自然、温泉や身体に優しい料理を味わい、心身ともに癒され、健康を回復・増進・保持する観光形態」であるヘルスツーリズムが国内各地に拡大しているとの報道があります。山間の温泉がまずイメージされがちですが、海岸沿いを歩くビーチウォーク、素足で砂浜を歩くサンドウォーク、潮風を浴びながら海岸線など起伏に富んだコースを歩くことなどが、新陳代謝を高め、自律神経を安定化させるなどの身体に良い作用をもたらし、健康増進に効果的であることが示されているそうです。
ビーチリゾート構想を実現に導いていくためには、こうしたう海洋資源の価値を再認識し、ステークホルダーが共有して協同で作り上げていくことが重要です。その際、さらに海の持続性(Sustainability)の認識が不可欠であることは言うまでもありません。
SDGsはご承知のように、2015年に国連サミットで定められた持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals) ですが、その14番目の目標が、「海洋と海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する」です。
ひたちなか港から大洗に至る海岸地域の海の自然、海洋資源、生態系の保全には十分な注意を払う必要があります。プラスチックごみなどのクリーンアップによる美化とともに、生活・産業排水による水質汚染、水産資源確保、などについて真剣に取り組むべきでしょう。港湾建設に伴う環境の変化の監視、寄港する船舶からの汚染や外来生物などへの対処も不可欠です。。先に述べた海洋療法においても、「清浄で汚染されていない海洋環境下で行われることが重要な成立条件」とされています。きれいな海を追い求め、それを次世代以降へ引き継いでいくという精神が求められます。
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aaa (水曜日, 21 6月 2023 12:28)
aaa
aaa (水曜日, 21 6月 2023 12:29)
baka