はじめに
先のブログ(■公共交通について政府はどう取り組もうとしているのだろうか?)にて述べたように、国や県は公共交通機関ネットワーク構築とまちづくりとを、デジタルの力で、一体的に推進しようとしていることが判りました。国民皆が幸福(ウェルビーイング)で豊かに暮らすための政策の主要なはしらのひとつです。公共交通政策と都市づくりは切り離しては考えられない、両者の融合および予算事業等による一体的推進が必要と言うことです(地域交通のリ・デザイン)。
では、公共交通とまちづくりとを一体的に推進する、とはどういうことなのでしょうか? その対応策は地域ごとに異なっており、それぞれの事情に応じて最適化が必要と言われます。本市においては、JR勝田駅前の公的機関、病院、小売店、飲食店、マンションなどが比較的コンパクトに集中する地域が一つの対象となるでしょう。中央図書館もこの地域に新設が決まりました。もともと「ウォーカブルまちなか」を目指す動きがあります。この地域を居心地がよく、歩きたくなるようなまちなかに変えていくことは、市民生活の利便性向上、経済活性化、だけでなく、環境問題対応、観光振興、市民の健康増進などにも大きな効果が期待できます。その際、この地域内外での人の移動が円滑で効率的、かつ人間にやさしいカタチであることは必要不可欠と考えられます。その実現に向け、公共交通をあるべき姿に整えていくことが課題なのです。
そこで、公共交通/まちづくり一体化政策を推進するに当たり、計画立案に役立てるため、対話型AIの支援を受けて、具体的イメージを描いてみましょう。
公共交通機関網とウォーカブルなまちなかの一体的推進とは?
この問題に向き合うために、まず次の質問をしました。
【質問1】
「JRの駅から約1.5kmの範囲に広がる中心市街地には、公的機関、病院、学校、マンション、飲食店、ショッピングセンター、公園などが、碁盤の目状の道路で構成される街並みに立地しています。この領域をウォーカブルで心地よく、にぎわいもあるまちなかへ変えていくことを検討しています。その際、この中心市街地内、および郊外からこの中心市街地への移動において、公共交通機関をどのようにデザインすればよいかアイデアを示してください。」
【回答1】(by MS Bing)
「ウォーカブルで心地よく、にぎわいもあるまちなかへ変えるための公共交通機関のデザインについて、いくつかのアイデアを提案します。
・中心市街地内では、徒歩や自転車、電動キックボードなどのマイクロモビリティを優先するために、道路の一部を歩行者専用や自転車専用にすることができます。これにより、安全で快適な歩行環境を整備し、街路の活性化や健康増進にも寄与できます。
・中心市街地と郊外を結ぶ公共交通機関としては、バスや路面電車、ライトレールなどの低床型の車両を採用することができます。これにより、乗降の利便性やバリアフリー性を高めるとともに、街路の景観や雰囲気にも配慮できます。
・公共交通機関の利用を促すためには、運賃や時刻表、路線図などの情報を分かりやすく提供することが重要です。また、スマートフォンやICカードなどの電子決済や予約システムを導入することで、利便性や効率性を向上させることができます 。
ウォーカブルな中心市街地の公共交通機関のデザインに関する詳しい情報や事例は、国土交通省 WALKABLE PORTALや参考資料をご覧ください。」
簡潔に述べられていますが、要所は押さえられていると言えます。ポイントを整理すると以下のようになるでしょう。
・ウォーカブルなまちなかでは、低速のモビリティが公共交通機関として走行するとともに、マイクロモビリティや歩行者専用の通行帯が設けられる。(低速モビリティとして、自動運転バスを適用し、巡回運行するなども有効でしょう。)
・デジタル技術によって、運賃や時刻表、路線図などの情報を分かりやすく提供するとともに、電子決済や予約システムを導入することで、利便性や効率性を向上させる(いわゆるMaaSの整備)
また、ここには記述されていませんが、地域内の停留所、乗り換え結節点を交流や滞在の場として整備することも必要でしょう。さらに、郊外からの来訪に備え、パークアンドライドやパークアンドウォークなどの施設を整備することも重要です。
【参考文献:】
1: 国土交通省 WALKABLE PORTAL(ウォーカブルポータルサイト)
https://www.mlit.go.jp/toshi/walkable/index.html
2: 「居心地が良く歩きたくなる」まちなかづくり~ウォーカブルなまちなかの形成~
https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_machi_tk_000072.html
3: 参考文献と資料 4: 「居心地が良く歩きたくなる」まちなか創出に向けた 道路空間の再構築・利活用に向けた取組
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.lg.jp/bunyabetsu/kotsu_butsuryu/pdf/hokou_11.pdf
4 「居心地が良く歩きたくなる」まちなかの形成を目指す区域における公共交通機関の整備に関するガイドライン(PDFファイル)
https://www.mlit.go.jp/toshi/content/001479468.pdf
歩行者専用道路はどのように整備すべきか?
上述した中で、「歩行者専用道路」の整備が必要との提案がありました。この点について次に検討してみましょう。
【質問2】
「どのように歩行者専用道路を設計しますか?」
【回答2】(by MS Bing)
「歩行者専用道路の設計については、以下のような点に注意する必要があります。
・歩行者専用道路の幅員は、2m以上とすること。歩行者の通行量や歩行者の特性に応じて、適切な幅員を決定すること。
・歩行者専用道路の路面は、滑りにくく、歩行しやすいものとすること。舗装材の種類や色彩、模様などによって、歩行者の視覚的な誘導や区別を行うことができる。
・歩行者専用道路の線形は、歩行者の視界や安全性を考慮して、曲線や直線を組み合わせて設計すること。縦断勾配は、できるだけ小さくすること。
・歩行者専用道路の周辺には、歩行者の利便性や快適性を高めるために、ベンチやゴミ箱、街路樹や花壇、街路灯や案内標識などの道路附属物や道路占用物を設置すること。ただし、これらの設置によって、歩行者の通行の妨害にならないように注意すること。
・歩行者専用道路の交差点や横断部には、歩行者の安全性や円滑性を確保するために、適切な横断施設や信号機、標識や区画線などを設置すること。また、歩行者専用道路と車道との接続部には、歩行者の優先性を明確にするために、路面の高さや色彩、材質などを変えることができる。
以上のような歩行者専用道路の設計の基本的な考え方を参考にしてください。歩行者専用道路の設計に関する詳しい情報や事例は、国土交通省 WALKABLE PORTALや公共空間としてのストリートデザインをご覧ください」
歩行者専用道路は、安全で安心なことが第一ですが、気持よさ、安らぎといった人にやさしいデザインにも配慮すべきことが判ります。
【参考資料:】
5.専用道
https://www.mlit.go.jp/road/sign/pdf/kouzourei_3-7.pdf
6 第7章 交通安全施設に関する設計基準
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/inter/keizai/gijyutu/pdf/road_design_j2_02_1.pdf
中心市街地内の移動についてもう少し考えてみよう
ウォーカブルまちなか、つまり中心市街地内の移動に用いるモビリティはどんな形が考えられるでしょうか。
【質問3】
「中心市街地内のモビリティについて、実例、成功例をいくつか紹介してください。」
【回答3】(by MS Bing)
「中心市街地内の移動に用いるモビリティの実例、成功例として、以下のようなものがあります。
・金沢市では、都心部の生活交通とまちなかの活性化に対応したコミュニティバス「金沢ふらっとバス」を運行しています。このバスは、観光地や商業施設、公共施設などを巡回し、100円で乗り降り自由という低廉な運賃で利用できます。また、バス停は、歴史的建造物や文化財などの観光名所に近い場所に設置されており、観光客にも好評です。
・東京都文京区では、地域密着都市型コミュニティバス「B-ぐる」を運行しています。このバスは、地下鉄やJRの駅と区内の主要施設や商店街を結び、高齢者や障害者、子どもなどの移動手段を確保しています。また、バスの運行は、地域住民や事業者、NPOなどの協力により実現されており、地域の交流やまちづくりにも貢献しています。
・名古屋市では、BRT並みの機能を持たせたバス路線「基幹バス」を構築しています。このバスは、専用レーンや信号優先システムなどを導入し、高速・高頻度・高品質な運行を実現しています。また、バス停は、地下鉄や名鉄などの鉄道との乗り換えがスムーズにできるように設計されており、公共交通の利便性を向上させています。
以上のようなモビリティの実例、成功例は、中心市街地内の移動において、利用者のニーズに応え、魅力的な公共交通を提供しています。」
ここで示された例は、大都市で人流が多い特徴があります。地方都市とは事情が異なる部分もありますが、公共交通のあり方、フィロソフィーは学ぶところが大きいと思います。下に示す資料はさらに参考になります。
【参考資料:】
7.中心市街地活性化事例集
https://www.mlit.go.jp/crd/index/case/
8.中心市街地活性化に関する取組事例
https://www.chisou.go.jp/tiiki/chukatu/jirei.html
まとめ
公共交通とまちづくりとを一体的に推進する、というテーマについて、その在り方のアイデアや具体例を、対話型AIの支援で概観しました。まちなかにおけるモビリティ、歩行者専用道路のあるべき姿、まちなかへの移動方法などについて適用事例を示しました。
ここで強調したいことは、公共交通政策だけ、まちづくりだけ、とそれぞれを単独に進めることはできないこと、相互に関わり合うので、両方を同時に検討すべきこと(リ・デザイン)が肝要だということです。買い物、通院、交流といった人間の活動は、デジタル化が進展したとしても、(公共交通を利用して)リアルに移動して実体験することが忘れられてはならないですし、それが人間のウェルビーイングにつながると信じます。
次のブログでは、ウォーカブルで心地よく、にぎわいもあるまちなかづくりについて、少し深掘りしてみる予定です。
以上
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