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ウォーカブルで心地よく、にぎわいもあるまちなかのつくり方

はじめに 

 前ブログにおいて、「地方都市で、公共交通とまちづくりとを一体的に推進する」というテーマについて、その意義と具体的方法を議論しました。ウォーカブルで居心地の良いまちなかの形成には、低速のモビリティやデジタル技術の活用が重要なこと、歩行者専用道路や交流の場の整備も必要なこと、などが示されました。

 

 このブログでは、公共交通とまちづくりの二者のうち、まちづくりに焦点を当てます。つまり、居心地がよくにぎわいがある、ウォーカブルなまちなかの形成に着目し、ハード面、ソフト面双方から具体策を検討します。そのため最初に、本市におけるJR駅周辺の中心市街地の活性化に向けた現状の課題と対応策に触れます。

 

本市における観光振興の課題と対策案:分析結果紹介

 

 本項では、私たちグループと関係の方々とで、これまで検討した、まちなか活性化の一つである観光振興策に関する分析結果を紹介します。まちなかへ賑わいを取り戻すためには、観光振興策と同時に進めることが効果的と考えたからです。市民だけでなく訪問客、観光客が楽しめるまちなかの創生を狙おうとした訳です。その検討はまだ途上ですが、これまでに得られた課題と対応策案を列記します。

 

◇課題1:

・名産品、逸品、名所、公共交通、観光案内などの、まちなか訪問に必要な情報が複数、分散して存在していて、観光客・市民が把握しにくい。

⇒対応策1

・情報を集約したウェブサイトを整備する

Youtube活用(いばキラTVなど参考に)

・情報誌(パスポート)の利用

 

◇課題2

・回遊ツアーなどまとまった観光案内が無い(体験ツアーなどを補助金で対応した実績はあるが、現在予算無く休止状態)。

対応策2

・体験ツアー、サイクル/ウォーキングツアーなどバリエーションを増やす。

・収益が出るようなビジネスモデルに育てる。

◇課題3

・ひたち海浜公園への多数の観光客をまちなかへ誘導できていない。観光後は疲れてしまい、帰りの回遊が無い。市内の飲食店マップが無い。

対応策3

・ツアー(半日、一日、二日など)企画、周遊券化する。

・立ち寄ってもらえる価値ある施設、催事などの開発(マルシェ、新たなアクティビティほか)。

 

 これらに加えて、まちなか活性化の主体となるべき商店主や行政の、にぎわいを回復させようとする前向きな意欲が萎縮してきていることも大きな課題の一つのようです。

 

 上述の分析結果を今後さらに追及予定ですが、地方都市のまちなか活性化のための、他都市の実例を含めた一般的かつ総合的な視点が望まれます。そこで対話型AIに支援を依頼します。

 

ウォーカブルなまちなかをつくるための具体的方法は何か?

 

 では早速、対話型AIに問いをぶつけてみます。

 

【質問1】

JRの駅から約1.5kmの範囲の商店街が衰退しています。この範囲には、公的機関、病院、学校、マンション、飲食店、などが、碁盤の目状の道路で構成される街並みに立地しています。この領域をウォーカブルで心地よく、にぎわいもあるまちなかへ変えることは可能でしょうか? どのようなまちの構造にすればよいか、そのためにはどう対処していけばよいでしょうか?

 

【回答1】(by MS Bing

JRの駅から約1.5kmの範囲の商店街が衰退しているということですが、それは残念なことですね。この範囲には、公的機関、病院、学校、マンション、飲食店などが碁盤の目状の道路で構成される街並みに立地しているとのことですが、これはウォーカブルで心地よく、にぎわいもあるまちなかへ変えられる可能性があると思います。そのためには、以下のような対策を考えてみると良いかもしれません。

 

1.空き店舗を活用したイベントを行う

 

空き店舗は商店街の活性化のための資源として活用できます。例えば、地域の特産品や観光情報を発信するアンテナショップや、地元のアーティストやクリエイターの作品を展示するギャラリーなどを開設することで、商店街に新たな魅力を創出できます。また、空き店舗を貸し出して、ポップアップストアやワークショップなどのイベントを定期的に開催することで、商店街に来街者を呼び込むことができます。

 

2.商店街の魅力を発信する

 

商店街の魅力を発信することは、人を集めるのに有効です。例えば、商店街の歴史や文化、店舗の個性や特色、おすすめの商品やサービスなどを紹介するパンフレットやポスター、ウェブサイトやSNSなどを活用して、商店街の情報を広く伝えることができます。また、商店街の顔となるキャラクターやロゴマークを作成して、商店街のブランドイメージを高めることも効果的です。

 

3.商店街オリジナルの商品を販売する

 

商店街オリジナルの商品を販売することは、商店街の差別化につながります。例えば、地域の特産物や商店街の歴史などを活かしたオリジナルの商品を開発して、共同で販売することで、商店街にしかない独自の商品が誕生します。また、商店街全体で商品の値段を揃えることで、お客さんにとって買いやすくすることもできます。

 

4.学生と商店街が連携する

 

学生と商店街が連携することは、双方にメリットがあります。例えば、地域の大学や専門学校とコラボして、商品開発やイベント企画などを行うことで、学生の持つ知識やアイデアを商店街の活性化に生かすことができます。一方、学生は商店街の活性化に参加することで社会経験を積んだり、理論と現実とを結びつけたりできます。

 

5.回遊型のイベントを実施する

 

回遊型のイベントを実施することは、商店街全体のにぎわい創出に有効です。例えば、商店街でスタンプラリーやビンゴゲームなどを開催して、お客さんに商店街全体を歩いてもらうことで、商店街の魅力を発見してもらうことができます。また、商店街の集客力のある店舗やスポットを「集客の核」として、商店街全体の集客力を高めることもできます。

 

以上のような対策を行うことで、JRの駅から約1.5kmの範囲の商店街をウォーカブルで心地よく、にぎわいもあるまちなかへ変えることが可能だと思います。そのためには、商店街の関係者や地域の住民、行政などが協力して、商店街の魅力を高めることが大切です。」

 

 質問に対して興味深い様々なアイデアを紹介してくれています。最後に触れられているように、商店街の関係者、住民、行政の意思疎通、共感、連携が重要なことは言うまでもないでしょう。さらなるアイデア模索とともに、変えていくことへの意識高揚がまず出発点だと考えます。

 

【参考資料】

1.)事例から学ぶ!「商店街を、もっと元気に」

https://mirasapo-plus.go.jp/hint/17442/

 

2.)「商店街を元気にする7つの方法 商店街活性化メニュー」 について

https://www.city.ota.tokyo.jp/sangyo/syogyo_sangyo/minasamahe/syoutengai-kasseika-menu.html

 

3.)全国ふれあいショップ とれたて村

https://haro.or.jp/haro-project/toretatemura.html

 

4.)産学連携による商店街の活性化

https://www.syoutengai.or.jp/dataroom/shopping_s/report/no50.pdf

 

5.商店街を活性化させたアイデア10

https://ua-japanrecords.jp/2022/05/shoppingstreetactivateidea/

 

ウォーカブルなまちなかの構造を改善するには?

 

 上述した取り組みアイデアは、既存の財産や施設を上手く利活用することがポイントであり、人が主体となって知恵を絞って推進する、ソフト面からの施策と言えます。次に、ウォーカブルなまちなかとするための構造的、ハード的な取り組み案について考えてみましょう。

 

【質問2】

ソフト面での対策は理解します。このまちなかを歩きたくなるようにするために、まちの構造をどのように変えれば良いですか? ハード面での対策案を教えてください。

 

【回答2】(by MS Bing

「ハード面での対策案についてお尋ねですね。

まちの構造を変えるためには、道路や歩道、公園や広場、建物や看板などの物理的な要素を整備する必要があります。ハード面での対策は、まちの景観や利便性、安全性、快適性などに影響します。ハード面での対策の例としては、以下のようなものがあります。

 

1.道路や歩道の拡幅や舗装、植栽や街路灯の設置などで、歩行者や自転車の移動を容易にする。

2.公園や広場を整備し、緑や水を取り入れ、休憩や遊びの場を提供する。

3.建物の高さや色、形などを統一したり、歴史的な建物を保存したりすることで、まちの景観を美しくする。

4.看板やポスターなどの広告物を制限したり、統一したデザインにしたりすることで、まちの雰囲気を整える。

5.防犯カメラや防災設備などを設置し、まちの安全性を高める。

 

これらのハード面での対策は、まちの魅力を高めるだけでなく、住民や来訪者の行動や感情にも影響します。例えば、歩道が広くて快適なら、歩いてまちを散策したくなりますし、公園や広場があれば、そこで人と交流したり、イベントに参加したりしたくなります。また、建物や看板が統一されていれば、まちに統一感や誇りを感じることができますし、防犯カメラや防災設備があれば、まちに安心感を持つことができます。

 

ハード面での対策は、ソフト面での対策と相互に影響し合います。例えば、まちゼミというイベントを行う場合、店舗の前にテントや椅子などを設置することで、イベントの存在感を高めることができますし、イベントに参加した人がまちの魅力に気づいて、再び来訪したり、口コミで広めたりすることができます。逆に、ハード面での対策が不十分だと、ソフト面での対策の効果も低くなります。例えば、道路が狭くて渋滞が多い場合、まちに来るのが億劫になりますし、公園や広場がない場合、イベントを開催する場所が限られます。

 

ハード面での対策は、ソフト面での対策とともに、まちの活性化に欠かせない要素です。しかし、ハード面での対策は、費用や時間がかかることや、住民や事業者の意見が分かれることなどの課題もあります。そのため、ハード面での対策を行う際には、以下のような点に注意する必要があります。

 

6.まちの現状や将来のビジョンを分析し、必要なハード面での対策を明確にする。

7.住民や事業者などの関係者と協議し、ハード面での対策の目的や内容について合意を得る。

8.財政や法律などの制約を考慮し、ハード面での対策の実現可能性や効果を評価する。

9.ハード面での対策の実施にあたっては、専門家や行政などの協力を得る。

10.ハード面での対策の実施後には、効果の検証や評価を行い、必要に応じて改善する。

 

以上のように、ハード面での対策は、まちの構造を変えるだけでなく、まちの魅力や活力を高めることにもつながります。ハード面での対策を行う際には、ソフト面での対策との連携や、関係者との協力が重要です。ハード面での対策を通して、このまちなかを歩きたくなるようなまちにすることができると思います。

 

居心地がよくにぎわいのあるまちなかのための具体的施策が多数紹介されていて、大変有用と評価できます。まちの景観や利便性、安全性、快適性などが向上し、市民のわくわく感やシビックプライドも高められそうです。ただし、指摘されているように、ハード面の対策には財政問題が大きくかかわりますので、そのハードルを市民と行政が連携して乗り越えていく必要のあることも明らかとなりました。リーダー、旗振り役の力量にかかっているとも言えるでしょう。

 

【参考資料】

6)まちづくりとは何か?5つの観点から事例や仕事内容などをご紹介

https://www.publicweek.jp/ja-jp/blog/article_02.html

 

まとめ

 

 駅周辺の商店街がシャッター化して以降、まちなか活性化は重要課題としてとらえられ続けているものの、まとまった動きや関係者の意欲は沈滞化したままというのが実態と言えます。確かに、少子高齢化、人口減少といったわが国で不可避の社会問題は、まちなか活性化を阻む大きな要因でしょう。ただ、ひたち海浜公園への訪問客数はコロナ禍前に戻りつつありますし、同地域の大型ショッピングセンターも活況が失われているわけではありません。本市全域を住みよくいきいきとしたまちとするために、JR駅前地域の活性化は重要な施策の柱と捉えるべきです。

 

政府も、地方都市においては、コンパクト&ネットワークという考え方を指向すべきとの基本政策を掲げています。駅前地域、海浜公園地域、那珂湊地域などをコンパクトに整備するとともに、それら拠点を公共交通ネットワークで効率的につなぐ、という地方都市の未来像を想定しているのです。

 

さらには、国民の幸福、国の持続性や強じん性のためには、都市集中型から地方分散へ、との未来ビジョンもあります。地方都市は今、元気と前向きな意志を高揚させて改革に挑む最後の時期と認識すべきと思います。

 

 これまで数編のブログで、地方都市内の公共交通システムの在り方について様々な取り組み、考え方を述べてきました。本ブログでは、こうちた地方都市の持続性を左右する「まちなか」の活性化、にぎわい創出のためのウォーカブルまちなか対策を議論しました。繰り返しになりますが、そのためには市民、関係事業者、行政、有識者が、進むべき方向性を共有し、協調して前進させる体制が欠かせません。もちろん、ビジョン形成や推進を先導するリーダー、あるいはプロデューサーの情熱も必須でしょう。本ブログはそのための一助としてご理解いただければ幸いです。

 

 なお、市立中央図書館の新規設置場所がこのまちなか地域(の東南端)に決まりました。公共施設の中でも図書館は、まちなか活性化に大きな役割を果たします。次ブログでその立地やデザインなどについて議論する予定です。 

 

以上