[さわり]
ひたちなか市では、中央図書館の建て替えが進められようとしています。その図書館をどんなものにするか、市民の声を聞くワークショップが開催されました。公園と一体化した自然と本を楽しめる空間、様々な世代や趣味に応える設備やイベント、市の観光資源にもなる魅力的な図書館にするというアイデアが出されました。このブログでは、その概要と市立図書館のあるべき姿について考えを述べます。
皆さんご承知かと思いますが、本市では中央図書館を建て替えることになり、この度新たな建設用地が決定しましたね。その経緯や現状については以下に示す「市立図書館公式ホームページ」[1]に掲載されています。また、その図書館をどのようなものにしたらよいか検討するための市民ワークショップが企画され、最近第1回が開催されました[2][3]。その概要を見てみると、様々な意見・要望が多数出されていて、新図書館への期待が高まっている様子が判ります。
そのワークショップでは、「きれいな公園のある図書館で,一日何をして過ごそう?」という問いを設定し、参加者20名ほどが4つのグループに分かれ、アイデアを出し合う形になっています。その結果を要約すると以下のようになります。
・公園と図書館を一体化させて、自然と本を楽しめる空間を作る
・子どもから大人まで、様々な世代や趣味に合わせた設備やイベントを充実させる
・カフェやキッチンカーなどの飲食スペースを設けて、一日中くつろげるようにする
・無人貸出サービスやレファレンスサービスなどの利便性や学習支援を高める
・市の観光資源になるような魅力的な図書館にする
新たな図書館には、書籍の集合場所という知識を得る機能だけでなく、花や緑に恵まれた公園との一体的な構成によって、楽しくて憩えるスペースであるべきとの希望が見て取れます。図書館建設用地が公園と隣接しているという幸運な実情であるため、市民が集え、くつろげる施設にできる、観光資源にもなりうる、など価値あるアイデアの掘り起こしにつながったことは肯定的にとらえられます。また、公共施設の企画、設計を水面下で進めるのでなく、人数が限定的という問題はあるものの、市民参加という形式で取り組まれていることは共感できます。
こうした検討をさらに深めるとともに、有識者や専門事業者の助言なども含め、市民の満足度の高い図書館の設計・施行へつなげてほしいと思います。
その際、是非検討に加えてほしいことは、この市立図書館エリアを孤立的、閉鎖的に整備するのではなく、勝田駅東口から拡がる地域全体を「まちなか」ととらえ、活気があり市民に広く受け入れられるまちづくりを、総合的に検討してほしいということです。庭園の中を癒されながら歩きたくなる(ウォーカブルな)環境が築かれていて、しかも公共交通も完備した、アクセス性に優れ、「行きたくなる」気分が高まる施設です。多様な市民のニーズを満たせる、誇れるまちとそこに溶け込む公共施設を創り上げていただきたいのです。言うまでもなく、市立図書館建設は、教育、都市計画、公共交通、環境政策、公園緑地、観光振興、商工振興など複数の部署にまたがる大きな事業であることを再認識していただきたいと思います。
次のブログでは、まちづくりの視点を含め、全国各地での実例を参考にしながら、市立図書館のあるべき姿を深掘りしていく予定です。
■参考情報
[1]ひたちなか市立図書館公式ホームページ
https://www.lib.hitachinaka.ibaraki.jp/index.html
[2]新中央図書館市民ワークショップ(令和5年度第1回)を開催しました
https://www.lib.hitachinaka.ibaraki.jp/viewer/info.html?id=1457
[3]令和5年度 第1回 市民ワークショップの概要
https://www.lib.hitachinaka.ibaraki.jp/manage/contents/upload/659e2cf9dfb89.pdf
以上
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