新しい市立中央図書館を市民目線で価値あるカタチへ(2)

 

[さわり]

ひたちなか市では、中央図書館の建て替えが進められようとしています。それに先立って開催された市民ワークショップについて前ブログで紹介しました。このブログではさらに、全国の実例を参考にしながら、市立図書館の理想像を探っていきます。生成AIMS Bing)の支援を借りて、図書館のあり方やデザイン、省エネや低コスト化などの環境的、経済的な側面についても考えていきます。

  

はじめに

  新しい市立中央図書館建設に向けた取り組みが開始され、様々な市民の意見・要望が出され始めたことを前のブログで紹介しました。単に図書館を新規建設すると近視眼的にとらえず、まちの活性化を伴う事業として取り組むべきと指摘しました。本ブログでは、こうしたまちづくりの視点を含め、全国各地での実例を参考にしながら、市立図書館のあるべき姿を深掘りしていくことを目的とします。そのために、インターネット上にある膨大な量の情報から、要望に最も近いものを選び出して、結果を整理して提供してくれる生成AIMS Bing)の支援を借りて議論を勧めます。

 

 なお、判りやすくするため、筆者の意見の先頭に◇、生成AIの回答の前後に』と』とを付します。参考情報は生成AIが提供してくれたものです。

 

新時代にふさわしい市立図書館のあり方は?

 

◇まず、まちなかに設置される市立図書館のあるべき姿、という基本的なところから議論します。

 

◇質問1

JRの駅から約1.5kmの範囲内には、公的機関、病院、学校、マンション、飲食店、公園などが、碁盤の目状の道路で構成される街並みに立地しています。この領域をウォーカブルで心地よく、にぎわいもあるまちなかへ変えようとしています。一方、この範囲内へ市立図書館を新たに移設しようとする計画があります。この場合、市立図書館をどのような考え方でこのまちなかへ立地させればよいか、新時代に相応しい図書館にするにはどうしたら良いか、市民が満足できる図書館のあり方、などについてアイデアを示してください。

 

『市立図書館をウォーカブルで心地よく、にぎわいもあるまちなかへ立地させるためには、以下のようなアイデアが考えられます。

 

1)図書館の建物や空間を、地域の歴史や文化に合わせてデザインすることで、まちの景観に溶け込ませる。例えば、地元の建築家やアーティストと協働して、地域の特色を反映した外観や内装をつくる。

2)図書館の周辺に、カフェやレストラン、ショップなどの商業施設や、公園や広場などの緑地や遊び場を配置することで、図書館と一体化した複合施設とする。これにより、図書館に来た人が、本を読んだり勉強したりするだけでなく、食事や買い物、遊びなども楽しめるようになり、滞在時間や利用頻度を増やすことができる。

3)図書館のサービスを、地域のニーズやトレンドに応じて柔軟に変化させることで、新しい利用者層を開拓する。例えば、電子図書館やオーディオブックなどの非来館型サービスを充実させることで、コロナ禍で来館が困難な人や、時間や場所に制約のある人にも図書館の利用を促すことができる。また、マイナンバーカードやデジタルアーカイブなどのICT活用によって、図書館の利便性や付加価値を高めることができる。

4)図書館を、地域の人づくりやまちづくりの拠点とすることで、市民の参加や協働を促す。例えば、図書館で、地域の課題や話題に関するワークショップやセミナー、展示会やイベントなどを開催することで、市民の学びや交流の場を提供する。また、図書館の運営やサービスに、市民や地域の団体などを積極的に関与させることで、図書館の共有感や愛着を高める。

 

以上のようなアイデアを実現するためには、図書館の予算や人員、設備などの資源を確保することが重要です。また、図書館の利用者や地域の住民、関係機関などの意見やフィードバックを常に収集し、評価し、改善することが必要です。図書館は、時代や社会の変化に応じて、その役割やサービスを進化させていくべきです。』

 

◇周辺に食事、買い物、遊びなども楽しめるような施設を設け図書館の複合化を図る、図書館が提供するサービスを市民ニーズや時代のトレンドに合わせたものへ創り上げる、図書館機能を拡張して市民の学びや交流を通じ人づくりやまちづくりを促進する、など非常に有効なアイデアを示してくれています。それらを通じて、図書館への愛着や共有間を高めていくという取り組み姿勢も大切にしたいところです。現在進められている図書館ワークショップで是非取り上げていただきたい事柄でもあります。

 

■参考資料

1.石川県立図書館

円形劇場を思わせるグレートホールを中心に、回遊性を高めた空間

https://www.japandesign.ne.jp/space/library-pref-ishikawa/

 

2.市民のあたらしい「居場所」をつくる。 〈都城市立図書館〉館長と考える、地域づくりのこれから。

https://fin.miraiteiban.jp/miyakonojotosyokan/

 

3.今、求められている図書館サービスとは

https://www.kccs.co.jp/contents/ict/column/column04/

 

4.図書館実践事例集 ~人・まち・社会を育む情報拠点を目指して~

https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/jirei/

 

5.E2507 – 図書館の今後を作る20のトレンド:IFLA Trend Report 2021

https://current.ndl.go.jp/e2507

 

市立図書館のデザインはどうあるべきか?

 

◇次に、図書館をどのような形態とすべきか、という設計に当たっての指針について検討してみましょう。

 

◇質問2

市立図書館の建物を設計するに際して、周囲に調和し、市民満足度が高く、新時代に相応しいデザインとするための基本的設計指針、手法、留意点などについてより詳しく説明してください。

 

『市立図書館の建物を設計するには、以下のような点に注意する必要があります。

 

1)周囲に調和するデザイン:地域の歴史や文化、風土、景観などを尊重し、周辺の建物や環境との調和を図ることです。例えば、守口市立図書館は、既存の商業施設をリノベーションして図書館にしたもので、外観はそのままに内部を改修し、地域の資源を再活用しています。

2)市民満足度が高いデザイン:市民のニーズや利便性を考慮し、多様なサービスや機能を提供することです。例えば、都城市立図書館は、本だけでなく、表現することを楽しむためのプレススタジオやファッションラボなど、独自の仕掛けが多数あり、市民の感性を育てる場となっています。

3)新時代に相応しいデザイン:時代の変化や社会の課題に対応し、持続可能で革新的なデザインを目指すことです。例えば、大分県立図書館は、磯崎新の設計により、コンクリートとガラスでできた近代的な低層の建物に、テラコッタの大型書庫を附置し、素材のコントラストが印象的なデザインとなっています。

 

以上のように、市立図書館の建物を設計するには、周囲に調和し、市民満足度が高く、新時代に相応しいデザインとするための基本的設計指針、手法、留意点などを考慮する必要があります。』

 

◇回答の通り、市民のニーズや利便性が考慮された、多様なサービスや機能が提供され、しかも持続可能で革新的なデザインが市民満足度向上の肝であることは理解できます。地域の歴史や文化、風土、景観などを尊重した外観についても理解できますが、本市のように特筆すべき歴史や文化が無い場合、市民の声、希望をまず集めることが必要でしょう。いずれにしても、専門の設計者へ依頼する、あるいはプロポーザル型でアイデアを募るなどのプロセスを採用すべきと考えます。

 

■参考資料

1.大阪府《守口市立図書館》

リノベーション建築も愉しめる市内初図書館

https://discoverjapan-web.com/article/95292

 

2.市民のあたらしい「居場所」をつくる。 〈都城市立図書館〉館長と考える、地域づくりのこれから。

https://fin.miraiteiban.jp/miyakonojotosyokan/

 

市立図書館の設計で大切なことは?

 

◇図書館のあるべき姿に加え、実際の設計に際しては、経済的、環境的側面からの検討も必要です。

 

◇質問3

市立図書館の設計に際して、省エネ、低コスト化、運営費低減、などの環境的、経済的な側面からのアイデアも提案ください。

 

『市立図書館の設計において、省エネ、低コスト化、運営費低減などの環境的、経済的な側面からのアイデアを提案します。

 

1)省エネとは、図書館のエネルギー消費量を減らすことで、二酸化炭素の排出量を削減し、地球温暖化の防止に貢献することです。省エネのためには、図書館の建物や設備に、高効率なエネルギー利用技術や再生可能エネルギーの導入を検討することが重要です。例えば、以下のようなアイデアがあります。

・太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用して、図書館の電力を自給自足する。

LED照明やセンサー制御などの省エネ照明を導入して、図書館の照明の消費電力を削減する 。

・外気導入や空調機の最適制御などの省エネ空調を導入して、図書館の空調の消費力を削減する 。

・窓や壁などの断熱性能を高めて、図書館の冷暖房の負荷を減らす 。

・自然光や自然換気を活用して、図書館の照明や空調の使用を抑える 。

2)低コスト化とは、図書館の建設費や維持管理費を抑えることで、図書館の経済的な負担を軽減することです。低コスト化のためには、図書館の建物や設備に、長寿命で低価格な素材や技術を採用することが重要です 。例えば、以下のようなアイデアがあります。

・木造やプレハブなどの低コストな建築方法を採用して、図書館の建設費を削減する 。

・リノベーションやリユースなどの再利用の手法を採用して、図書館の建設費や廃棄費を削減する 。

・耐久性やメンテナンス性の高い素材や設備を採用して、図書館の維持管理費を削減する 。

BIM*)ICTなどのデジタル技術を活用して、図書館の設計や施工、運営の効率化や品質向上を図る 。

3)運営費低減とは、図書館の人件費や資材費などの運営にかかる費用を減らすことで、図書館の経済的な負担を軽減することです。運営費低減のためには、図書館のサービスや機能に、効率的で効果的な運営方法を導入することが重要です 。例えば、以下のようなアイデアがあります。

・自動貸出・返却機や自動書庫などの自動化設備を導入して、図書館の業務の効率化や人件費の削減を図る 。

・電子図書館やオーディオブックなどの非来館型サービスを充実させて、図書館の資料の購入費や保管費の削減を図る 。

・市民や地域の団体などを図書館の運営やサービスに積極的に関与させて、図書館の人的資源の確保や負担の分散を図る 。

・他の公共施設や民間施設との連携や共用を促進して、図書館のサービスの拡充やコストの削減を図る 。

 

以上のようなアイデアを実現するためには、図書館の設計において、省エネ、低コスト化、運営費低減などの環境的、経済的な側面を考慮する必要があります。』

 

◇図書館設計に当たっての具体的な方法論が紹介されています。ほとんどは常識的な事柄かもしれませんが、他の公共施設や民間施設との連携や共用を促進するといった新たな視点など参考になります。いずれにしても、図書館建設には多額の財源を必要としますので、低コスト化の検討は必要不可欠です。

 

*)BIMとは、Building Information Modelingの略称で、コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューションであり、現在主流になりつつあるワークフロー。

 

■参考資料

1.事例1 長崎市立図書館整備運営事業

https://www8.cao.go.jp/pfi/pfi_jouhou/jigyou/jireishoukai/jirei/pdf/zirei_5.pdf

 

2.図書館実践事例集 ~人・まち・社会を育む情報拠点を目指して~

https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/jirei/

 

他施設との連携を促進することの意義を考えてみよう

 

◇前項で述べた図書館運営の他施設連携について、もう少し深掘りして検討してみましょう。

 

◇質問4

「他の公共施設や民間施設との連携や共用を促進して、図書館のサービスの拡充やコストの削減を図る」について、具体的成功事例を含め、より詳しく説明してください。

 

『図書館と他の公共施設や民間施設との連携や共用には、以下のようなメリットがあります。

 

1)図書館の利用者層を拡大し、多様なニーズに応えることができる。

2)図書館の集客力を活用し、地域の活性化やにぎわいの創出に貢献することができる。

3)図書館の運営費や設備費を節約し、経済的な効率化を図ることができる。

4)図書館のサービスや機能を充実させ、利用者の満足度や学習効果を高めることができる。

 

具体的な成功事例としては、以下のようなものがあります。

 

・ぎふメディアコスモス:岐阜県岐阜市にある複合施設で、図書館のほかに、市民ギャラリー、市民活動支援センター、子ども未来館、市民交流プラザなどが入っています。図書館は、各施設と連携して、展示会やワークショップ、講演会などの多彩なイベントを開催しており、地域の文化や教育の拠点となっています。

・守口市立図書館:大阪府守口市にある図書館で、既存の商業施設をリノベーションして図書館にしたものです。図書館は、商業施設のテナントと連携して、本と関連した商品やサービスを提供しており、図書館の利用者と商業施設の来客の相互流通を促進しています。

・都城市立図書館:宮崎県都城市にある図書館で、図書館のほかに、市民ホール、市民交流センター、市民学習センター、市民図書館支援センターなどが入っています。図書館は、各施設と連携して、市民の学びや交流の場を提供しており、図書館だけでなく、表現することを楽・しむためのプレススタジオやファッションラボなど、独自の仕掛けが多数あります。

・紫波町立図書館:岩手県紫波町にある図書館で、図書館のほかに、町民会館、町民交流センター、町民活動支援センター、町民図書館支援センターなどが入っています。図書館は、各施設と連携して、町民の生涯学習や地域活動の支援を行っており、図書館の利用者に対して、書籍の貸出だけでなく、パソコンやインターネット、コピー機などの情報機器の利用や、学習相談や講座の開催などのサービスを提供しています。

・新居浜市別子銅山記念図書館:愛媛県新居浜市にある図書館で、図書館のほかに、別子銅山資料館、別子銅山記念館、別子銅山記念公園などが入っています。図書館は、各施設と連携して、別子銅山の歴史や文化を伝える展示やイベントを行っており、地域の貴重な文化遺産の保存と活用に努めています。

 

以上のように、図書館と他の公共施設や民間施設との連携や共用は、図書館のサービスの拡充やコストの削減だけでなく、地域の人づくりやまちづくりにも貢献することができます。図書館は、自らの特色や強みを活かしながら、様々なパートナーと協力し、地域のニーズに応えることが求められています。』

 

◇市立図書館建設のコストを最小化しつつ、最大の効果を得るために、各地の図書館では革新的な様々な工夫が施されていることがわかります。こうした先進事例を学び、吟味して、活かせるべきところは活かしていくことが求められるでしょう。

 

■参考資料

1.図書館の連携サービスの可能性と課題

https://www.jstage.jst.go.jp/article/toshokankai/69/2/69_80_2/_pdf/-char/ja

 

2.学校図書館と公共図書館との

情報サービスにおける連携協力の考察

https://core.ac.uk/download/pdf/229223799.pdf

 

3.図書館実践事例集 ~人・まち・社会を育む情報拠点を目指して~

https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/jirei/

 

まとめ

 

◇全国の実例を参考にしながら、市立図書館のあり方を議論しました。図書館のあるべきデザインを提示するとともに、省エネや低コスト化などの環境的、経済的な側面についても検討しました

 

◇市立図書館の新規建設に当たっては、市民参加を前提として、市民ニーズの収集、反映を目指すべきことが肝要です。ただし、図書館の機能を高めること、図書館と隣接する公園の共存効果のみにとどまらず、周辺施設や取り巻く環境、人づくりやまちづくり、など複眼的に方向性を検討していくことを忘れてはならないと考えます。そのためには、(前ブログでも言及したように)、関連する複数の部署が連携して課題に取り組む必要があります。

 

◇本ブログで議論した事柄が、市民ワークショップはもとより、図書館の企画立案、設計、施工、目標達成に際して少しでも貢献できれば幸いです。

 

 

以上